青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ナカゴー『ダッチプロセス』

ナカゴー『ダッチプロセス』

王子小劇場にて観劇。初めてのナカゴー。とにかくバカげていておもしろい劇団という印象を勝手に持っていた。それは当たってもいましたが、思った以上に真面目な劇団でありました。冒頭のモスバーガーの店長が突然大きなハンバーガーになってしまった、という導入のナンセンスさには「いいぞ、いいぞ」と興奮していたのですが、「最近こういう不条理な出来事が巻き起こる演劇の行く着く先は3.11のメタなんだよなぁ」という杞憂も。店長役の怪演や「その注文の仕方はモスの黄金律だね、これだけ頼んで飲み物がコーラなのも潔い」とか「店長はモスバーガーを頼んでもいつもモスチーズバーガーを出してくれた」とかなんとか言ってふざけていた前半戦はかなり楽しめたのだけど、後半は予想的中でかなり厳しかった。ハンバーガーを食べると体内を「悪いハンバーガー」にのっとられてしまう。食の危険。挙句には「どうして今まで安全、安心と思っていたのかわからなくなった。外に出るのが怖い」とか言い出してしまう。あくまでコミカルな語り口なんだけど、やっぱりちょっと笑えなかったなぁ。外に出るためには「生」への執着を捨てるんだ、となるんだけど、そうるすと今度は無気力になってしまう。「いや、でも生きてればジョニー・デップに会えるよ!」とか言って何とか生きていいくのにちょうどいいバランスに調整していくわけですが、だからタイトルが「ダッチプロセス」なのか。ダッチプロセスというのはバンホーテンさんが発明した現在のココアのスタンダードな製造法で、それが簡単に言えば酸性とアルカリ性を調整して中性にしてまろやかにする、って事なんだそうです。


後、やっぱり想定内の批判だとは思いますが、「あの舞台で使って粉々になったハンバーガー絶対食えよな!」と思ってしまう。こういうクレームに対するクレームを昔、松本人志がつけていたとは思うが、やはりそういう要素は笑いにおいてノイズになると思うな。やっぱり食べ物は大事です。1本のチョコバーであんなに満足する男がいるという事を私たちは忘れてはいけないのです。ちなみに1本満足バーのスイートポテト味は美味しい。

でも、笑える所もたくさんあったので、ナカゴー、次も観ると思います。



<超余談>
あのハンバーガーは王子駅前のマックで買ったのかしら。小さい時に従兄と叔母に連れられて初めてチキンナゲットにマスタードソースを食べさせてもらったのが王子のマクドナルドだったなぁ。BBQソース一択だった僕に初めて選択する喜びと難しさを教えてくれたのがあのマクドナルドだったのでした。