青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ルパート・ワイアット『猿の惑星:創世記』

ルパート・ワイアット猿の惑星:創世記』を見た。

おもしろい、傑作。106分というランタイムも素晴らしい。ワンカットで撮られる猿たちの上下の運動感に興奮する。この運動感が物語に迎合していく様も見事である。シーザーは幼少の頃から既に2階の部屋の窓から人間を見下ろしていた。進化を運動で表現した猿のアメリカ杉への駆け上がりに、我々人間はただ茫然と見上がる事しかできない。この映画は別に科学文明への批判とか自然をないがしろにした「人類への警鐘」としては作られていないように思う。誰も才能を発揮する事を阻害されてはいけない、という思いからくる革命の話だ。虐げられた者の力強い拒絶と反逆の声に、気持ちが昂ぶらないはずもない。お父さんのよれよれのドビュッシー「月の光」泣ける。このプロットと運動感がある事によって、SFであり親子モノであり動物モノであり脱走劇であり、というゴッタ煮も一本の線として連なり素晴らしい観賞感を与えてくれる。99%続編があるんだろうけど、多分戦闘シーンに重きを置いた、今作とは趣の異なるものになるんだろうなぁ。でも最後まで一大サーガーをルパート・ワイアットで撮り続けて欲しい。