青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ままごと『わが星』


今まで私が音楽、映画、漫画、演劇、小説を嗜んできたのはこの作品を見るための訓練だったのでは、というような錯覚に陥る。もちろん大袈裟なのですが、それくらいに全身から感動したのだ。そうだなぁ、この興奮を無理矢理言葉にしてみるなら、『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』の「宇宙編」を読めてしまったような、とでも言ってみようか。幾重にもレイヤーされたテーマ達を一つ一つ私の言葉で羅列したいが、そうするとチープなものにしかならないのが悔しい。とにかく、そのテーマ達が有機的に絡み合い醸し出すムードがどうにも今ジャストな作品である。また、この作品には小沢健二が「夜明け」を

太陽が次第に近付いてきている

と歌った遠と近の感覚が貫かれている。生きていくこと、死んでいくことへの祝福のファンファーレである。そして、それを支える運動感!