青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

熊澤尚人『君に届け』


。期待してなかったのだが、これがなかなかよい。原作の漫画コミックスも5,6巻まで読んでいていたのですが、やはりこの作品の白眉は、純粋過ぎるが故に世界からはみ出す爽子が、徐々に周りの理解を得て報われていく過程を描いた1、2巻だと思う。もう嗚咽を漏らすほど泣いた。その純粋過ぎる、爽子の多部未華子の世界の解釈のありようが素晴らしい。まじ天使。爽子の誰にも気づかれない1日1善をしっかり見ている風早君は「きっと天使が見てくれてるよ」なわけで。つまり、天使たちのお話ですね、これ。


家に帰ってチラっと原作を読みかえしてみたが、思っていた以上にシェイプアップされていて脚本家の編集作業が素晴らしい事を知る。「BECK」「ソラニン」は原作の台詞回しをそのまま引用して大事故を引き起こしていたが、「君に届け」はそれが少ない。そして、恋愛ストーリーでありながら、どちらかというと父と娘のお互いの自立という通過儀礼に焦点を当てた控えめの演出が非常に好感。「クリスマスに友達と遊びたいが、家族との約束が・・・」みたいな葛藤をしっかりドラマに仕立てあげている。上映後の観客の感想に耳をすますと、そこが不満という人も多いよう。「もっと告白のシーンとさぁ・・」みたいな。まぁ、そこは好みの別れるところでしょう。僕は支持!