青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

リー・アンクリッチ『トイ・ストーリー3』


2010年のベストムービーだ、と7月にして言いきってしまう。最高のビタースウィートアクションム―ビー。冒頭のアンディによる西部劇、宇宙船などが入り乱れる空想アクション劇が、「これは映画なんだ」と雄弁に宣言しているようだ。


終始見せるウッディの表情が凄い。希望と諦観の入り混じった複雑なあの表情は、現代CG技術の一つの頂点ではないだろうか。『トイ・ストーリー2』にて発された

アンディの成長を止めることは誰もできないのさ

というプロスペクターの台詞通り、アンディは大人になっていた。おもちゃであるウッディ達にとってそれは別れ、いや"死"を意味する。『トイ・ストーリー3』には濃厚に死の匂いが漂っている。と言っても、この映画がどんより暗いものかと言えばそんなことは全くなく、バスやポテトヘッドがこれまで以上にコメディアクターとしての役割を果たし、明るさをキープしている。


誰もが認めるベストシーンはラストのアンディによるおもちゃ達の紹介シーンだろう。

私たちが知っている実像としてのウッディと、アンディの頭の中のウッディの像が、寸分の狂いもなく結ばれてしまう。その幸福感ときたら、落涙必至である。ハンカチを持って、劇場へ急げ。