青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

岡田恵和『ひよっこ』20週目「さて、問題です」

あるど、澄子 おめえにいいこどはある 起ぎるよ そのいいこどっていうのは・・・5分後に始まります さながら預言者のような豊子(藤野涼子)がいる。思わせぶりな台詞の数々に、「なんだ、なんだ?優子に続いて結婚か?」と、澄子(松本穂香)のみならず視聴…

最近のこと(2017/08/05~)

youtu.be Hi,how are you?の「お盆」はもはやクラシックです。お盆休みに10連休なんていうのは、夢のまた夢なのだけども、世間の浮ついた空気に便乗して、何となくボケーっとしている。お盆に読みたい漫画、という趣旨の記事を「文春オンライン」に寄稿させ…

アジズ・アンサリ『マスター・オブ・ゼロ』Season 1

ソフトバンクの広告が若者たちを「スマホと大人になっていく たぶん初めての人類」と表現していたのだけども、アメリカでは1980年代から2000年頃に生まれた世代を一括りで”ミレニアル世代”と呼び、デジタルネイティブ扱いしているらしい。なるほど、アラサー…

若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

星野源とオードリー若林正恭。この国の”生き辛さ”を抱える人々のか細き声を代弁してきたメディアスターだ。”人見知り”という自虐を武器に成り上がってきた2人だが、年齢を重ね、活躍のステージを上げていくにつれ、奇しくも共に”人見知り”を克服した旨の宣言…

最近のこと(2017/07/29~)

フジロックが終わってしまい、どこかセンチメンタルな気分になっている。祭りのあとの妙な寂しさに包まれているのだ。苗場に行ってないし、行ったことすらないというのに。Twitterだのインスタだので、あまりにフジロックの情報をリアルタイムで浴びているが…

ピエール・コフィン/カイル・バルダ『怪盗グルーのミニオン大脱走』

ミニオン達のそれぞれのキャラクターを見分けるのは困難を極める。彼らは無数に存在するが、そのルックのバリエーションは、一つ目、二つ目、デブ、チビ、ノッポくらいのもの。しかし、彼らはそれぞれに個性があって、ケビン・ボブ・スチュアート、ティム、…

岡田恵和『ひよっこ』17週目「運命のひと」

NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』が俄然おもしろい。あかね荘編がスタートしてからも、個性豊かな登場人物らはみな一様に愛おしく、宗男おじさんとビートルズ来日、乙女寮同窓会、みね子の初恋・・・などなどずーっと良質なおもしろさをキープしております。…

ナカゴー『ていで』

ナカゴーという劇団の現時点での最高傑作と言ってもいいのではないだろうか。「浅草九劇」という会場にも驚かされた。ちゃんと劇場なのだ*1。ここのところは、催事場、公民館、廃校スペースといった一風変わった場所でばかり上演してきたナカゴーである。お…

最近のこと(2017/07/21~)

かりあげクン(60) (アクションコミックス)作者: 植田まさし出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2017/05/27メディア: コミックこの商品を含むブログを見るコインランドリーに置いてあった『かりあげクン』をパラパラ読んでいたら、かりあげクンは毎週のように海…

最近のこと(2017/07/14~)

ジョージ・A・ロメロ、追悼。なんて綺麗な目で腐った死体を動かしていたことでしょうか。晩年の『ランド・オブ・ザ・デッド』『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』『サバイバル・オブ・ザ・デッド』の感じも好きなのだよな。何がしかのゾンビの端くれとして、ご…

田中嗣久×高橋一生 NTTドコモ25周年CM『いつか、あたりまえになることを。』

高橋一生は本当に素晴らしい。NTTドコモとMr.Childrenが25周年を迎えることを記念して制作されたCM『いつか、あたりまえになることを。』を貴方はご覧になっただろうか。いや、よくあるタイプの作品なのだ。『ニューシネマパラダイス』的手法で”眼差し”をダ…

大根仁『ハロー張りネズミ』1話

まあ、調査費用はふっかけられるかもしれませんが 何せドブネズミのような連中ですから 片桐(矢島健一)の“ドブネズミのような連中”という言葉に導かれて、スナックのカラオケでTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」が流れる。 ドブネズミみたいに美しくなり…

最近のこと(2017/07/08~)

youtu.be 応援しているヤクルトスワローズがもうあまりにも弱くて、不機嫌極まりない毎日を過ごしております。そんな中、Lampだけが心の清涼剤で、最近はもっぱら『ランプ幻想』と『東京ユートピア通信』を愛聴している。ランプ幻想アーティスト: Lamp出版社…

坂元裕二『往復書簡 初恋と不倫』

男女がキスをしている後ろで車が燃えている写真を見たんです。ラブストーリーでも男女だけで成立するわけじゃない。社会で起きている色んなことが作用するし、逆に男女の間で起きていることが社会にも作用している。 これは、是枝裕和との対談(『世界といま…

最近のこと(2017/06/30~)

土曜日。陽が出ていないけども、洗濯物は溜まっていく。仕方がないので近所のコインランドリーへ行き、乾燥機を回すことにした。コインランドリーって不思議な場所だ。ドラマが生まれる予感しかしない。生まれた試しなんてないのに。コインランドリーにおけ…

あだち充『クロスゲーム』 あだちラブコメの"幽霊"という主題

あだち充の『クロスゲーム』は何匹目の柳の下のドジョウなのか。連載開始当初の印象はまさにこれであった。国民的漫画となった『タッチ』、そしてキャリア最高傑作と言える『H2』、高校野球×ラブコメはあだち充の鉄板とは言え、35年のキャリア(連載開始当時…

坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』

坂元裕二と是枝裕和、この字面の並び!!何度だって反芻したい。坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』に参加してきたのだ。”テレビドラマ”を語るにおいて、この上ない組み合わせを実現させた早稲田大学演劇博物館に溢れんばかりの感謝…

最近のこと(2017/06/23~)

youtu.be 梅雨ですね。最近のことです。金曜日。週の仕事の終わりに、池袋から椎名町方面へと歩いた。梅雨らしい蒸し暑さで、汗ばむ。立教大学の裏側にある銭湯「あずま湯」へ赴いた。こぢんまりとしながらも、お風呂の種類が豊富で、地元のお客さんで賑わっ…

松本壮史×三浦直之『デリバリーお姉さんNEO』最終話

青春ってさ、UFOを待ち続ける日々だと思わない? 隣にいる女の子がいい感じでそんなことを言う。「これはやれる」と確信した私は、「・・・あるいは」と返した。なんたって昨日読んだ村上春樹の小説の主人公はこの言葉でそれはもう都会的なセックスを楽しん…

あだち充『H2』 あだちラブコメの哀しさについての考察

あだち充のラブコメこそ至高。それこそ小学生の頃から大好きな作家なのだけども、歳を重ねるごとにその想いが強まっている。まさにキングオブラブコメディである。あだち充への考察と言いますと、『EPOCH TV』というシットコムにおける設楽統の台詞に尽きま…

最近のこと(2017/06/16~)

『ひよっこ』の新しい登場人物もすっかり好きになっています。漫画家志望の若者が部屋に「目指せ藤子不二雄!!」という紙を貼っていて、それだけでもう素晴らしいな、と思ってしまう。珍しく「最近のこと」を間隔開けずに書けました。何かこう梅雨で気分がパ…

水沢めぐみ『おしゃべりな時間割』

心が荒れた時に読み返す本というのがあって、私にとってそれはこの『おしゃべりな時間割』という作品だ。1994年に『りぼん』で掲載されていた少女漫画で、作者は『姫ちゃんのりぼん』でお馴染みの水沢めぐみ。何故か私はこれを小学生時代からずっとバイブル…

最近のこと(2017/06/10~)

マック・デマルコの歌うラブソングが好きだ。ヘロヘロになりながら、恰好つけている感じが泣ける。またしても「最近のこと」を1週間分くらい書きそびれてしまった。あんまり覚えていない。神宮球場に行って、スワローズ館山が西武打線にボコボコに打たれるの…

西谷弘『昼顔』

互いに妻と夫のある身でありながら、どうしようもないほどに惹かれ合い、結ばれてしまった北野(斎藤工)と紗和(上戸彩)。テレビドラマ版のラストではその罪を罰されるかのように業火に包まれた。あれから3年、北野との一切の接触を禁じられた紗和は、自ら…

岡田恵和『ひよっこ』10週目「谷田部みね子ワン、入ります」

前週の別れのセンチメンタルさから打って変わり、よりコメディ色の濃くなった10週目。それでもチャンネルが切り替わるようにスパっと変わってしまうのでなく、乙女寮の愛子さんが物語に居残り、次の舞台であるあかね荘にまで足を運ぶ。その侵食具合が素晴ら…

満島ひかり×丸山健志『ラビリンス』(MONDO GROSSO)

密集した高層アパートに微かに覗く”空”からカメラが下降していくと、地上に満島ひかりが佇んでいる。何やら神話めいた*1で、どこか郷愁を湛えながら天を仰ぐその姿に、”天使”的なニュアンスを嗅ぎ取ってしまうのは容易い。しかし、彼女は天に帰還することは…

岡田恵和『ひよっこ』9週目「小さな星の、小さな光」

放送が開始して2ヶ月余りが過ぎますが、脅威のクオリティを保ち続けている。僅か15分の中で、必ずや観る者の涙腺を刺激してくる。とりわけ、9週目にあたる「小さな星の、小さな光」の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。みね子の務める工場が倒産、その名も”乙…

最近のこと(2017/05/26~)

大好きな5月が終わって、今年もきたぜ6月。僕らの気持ちを代弁し切った上のコマもいいんだけど、1コマ目でカレンダーを見つめながら「ついに、ことしもきたか・・・ああ。」とボヤいているのび太が好き。しかし、何年生きてみても6月というものの実像を掴み…

落日飛車(Sunset Rollercoaster)『JINJI KIKKO』

まさかのAORリバイバルである。昨年、サニーデイ・サービスが傑作アルバム『Dance To You』にてネッド・ドヒニーとボズ・スキャッグスを、ceroが全国ツアー『MODERN STEPS TOUR』のグッズデザインにスティーリー・ダンを、それぞれ引用してみせたのが印象的…

つげ義春『ヨシボーの犯罪』

先日、つげ義春の”紀行もの”の傑作『オンドル小屋』(1968)の中に、サウナ活動のヒントが隠されているかもしれないと読み直してみた。風邪を引いていたので、すこし頭がやられていたのだろう。当然ヒントは得られなかったが、久々につげ作品に目を通してみ…