青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ピエール・コフィン/カイル・バルダ『怪盗グルーのミニオン大脱走』

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ミニオン達のそれぞれのキャラクターを見分けるのは困難を極める。彼らは無数に存在するが、そのルックのバリエーションは、一つ目、二つ目、デブ、チビ、ノッポくらいのもの。しかし、彼らはそれぞれに個性があって、ケビン・ボブ・スチュアート、ティム、ジェリー、メル、マーク、フィル・・・と名称さえ持ち合わせている。グルーにしてもアグネスにしてもネファリオ博士にしても、「怪盗グルー」シリーズの登場人物らは、判別のつきにくいミニオンの差異をしっかりと判別し、その各々の個性をはっきりと認証している。スピンオフ作品『ミニオンズ』(2015)においても、リーダー格のケビンがミニオン全員の名前入り顔写真をファイリングして持ち歩いているという描写があって、その固有性へのこだわりにグッときてしまうのだ。一方で、誰もが底抜けに明るく、常にふざけ合い、大雑把に何でもかんでも笑い飛ばす。とりわけ、相手の失態にはとにかく目ざとく、シニカルに笑い転げる。何と言うか、”ミニオン”という総称で呼んでしまうにふさわしい共通の性質のようなものを持ち合わせている。つまり、個性がありつつも、匿名性も強い。この”どっちつかずさ”というか「何がしたいかよくわからない」感じが、イルミネーション・エンターテインメントが作るアニメーションの長所であり短所であり、やはり長所だろう。とにかく、軽やかなのがいい。


ミニオンの個性を巡る”分裂”は、主人公のグルーにも及んでいる。1作目『怪盗グルーの月泥棒』(2010)では怪盗軍団を率いる大悪党、2作目『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013)では反・悪党同盟の一員として正義の道へ。そして、この3作目『怪盗グルーのミニオン大脱走』においては「正義か/悪か」という二律に悩まされ、文字どおり分裂してしまう。生き別れた双子の兄弟ドルーなる人物が登場するのだ。
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ドルーの存在が見事にグルーに内在していた二律を演出している。黒い服を身に纏ったグルー、白い服を身に纏ったドルー。グルーは悪党が性に合っているのだけども、家族の為には正義でありたい。ドルーは悪党にからきし向いてないが、家族(=亡父)の為に悪党になりたい。ちなみにミニオン達は「最強の悪党に仕えること」を存在意義としているので、悪党でなくなったグルーに不満を持っていて、これもまたグルーを「正義か/悪か」で悩ませる種だ。これらのテーマは、アグネスのユニコーンの挿話を通して、「願った通りの結果じゃなくても、楽しめたらいいよね!」という能天気なメッセージで締めくくられる。この深遠さを欠いたポジティブさは嫌いじゃない。


イルミネーション・エンターテインメントのアニメーション映画は、ディズニー/ピクサーに比べると中身がない、というのが定説であるが、シリーズ最初の2作に関しては、喪失感を巡るウェルメイドかつエモーショナルな非常に完成度の高い脚本を有していた、と反論したい。しかし、この『怪盗グルーのミニオン大脱走』においては、前述の論に屈するしかあるまい。とにかく煩雑。テーマが盛り込まれ過ぎていて、どれも物足りなく感じてしまう。グルーとミニオンたちの主従関係、ルーシーと娘たち、グルーとドルーの兄弟関係、どれをとっても1作をフルに使ってじっくり観たいテーマばかりなのに。ヴィランであるバルタザール・ブラットにしても、「80年代に囚われた男」というのが物語と振動しないのが気になる(BGMやルックのおもしろさとしては抜群で、80sミュージックはご機嫌だし、ブラットのフィギュアや巨大ブラッドロボのメッキの質感とか最高の一言)。『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)のハン・ソロばりにカーボン凍結されたネファリオ博士には笑ってしまったけども。腹が減れば宅配ピザを追いかけ、マイクを差し出されれば歌う、刑務所に収容されたならば脱走する、といったミニオン達のアクションの真っすぐさはシリーズを通して健在で、やっぱり楽しい。しかし、私の本当に好きなミニオンは歌ったり、踊ったりといった大味のアクションではない。ウォーターサーバーのボトル容器に気泡が入る「ボコっ」という音で笑い転げたり、コピー機でお尻を印刷しまくったりする、小さなアクションの数々なのです。次作に超々期待。ちなみにこのシリーズ、字幕版での鑑賞を推奨致します。

岡田恵和『ひよっこ』17週目「運命のひと」

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NHK連続テレビ小説ひよっこ』が俄然おもしろい。あかね荘編がスタートしてからも、個性豊かな登場人物らはみな一様に愛おしく、宗男おじさんとビートルズ来日、乙女寮同窓会、みね子の初恋・・・などなどずーっと良質なおもしろさをキープしております。とりわけ17週「運命のひと」のエモーショナルさときたら!


まず、それまで視聴者を胸キュン地獄に陥れていたみね子(有村架純)と島谷(竹内涼真)の初々しい恋があっけなく終わってしまう。家柄が著しく異なる2人。御曹司の島谷は家を捨て、みね子と結ばれたいと願う。まさに古典的ラブストーリー。しかし、『ひよっこ』はセオリーを踏まない。みね子は島谷を”ひよっこ”であると叱責し、彼の為を思い、別れを選択する。キャラクターの人の良さとほのぼのとした演出に惑わされてしまうが、『ひよっこ』という物語における主人公みね子の境遇はなかなかに過酷だ。父親が行方不明になり家計を支えるべく東京に出稼ぎ、勤め先は倒産し、再就職先も内定取り消し、実ったと思われた恋はあっけなく散る。そういった筋運びでも、ジトっとした湿っぽさはなく、「上を向いて歩こう」「泣くのは嫌だ 笑っちゃお」という当時の流行歌の気分で、できるだけ明るく進んでいく筆運びに、鼓舞されてしまう。


しかし、みね子と島谷の恋をモデルに少女漫画を執筆していた坪内と新田は落ち込んでしまう。

新田:ハッピーエンドやなかったかぁ
早苗:ハッピーエンドじゃないとダメだから困ってるのか?
新田:幸せな最終回のみね子さんを描くが楽しみにしとったがですよ僕たち
坪内:そうながですちゃ、その瞬間を心待ちにしとったがですちゃ

ここでの早苗(シシド・カフカ)の言葉が感動的である。

別に終わりじゃないだろ
続ければいいだろ
たかが恋が一つ終わったくらいで
人生に決着がつくわけじゃないだろ?
いつかハッピーエンドになればいいんでしょ
違うか?

悲しい結末ならば、続きを書き足してしまえばいい!岡田恵和という作家の物語への態度が刻まれたやりとりであるように感じる。



そして、物語は更に怒涛の展開へ。ひょんなことからみね子が”代役”でテレビCMに出演することになる。この”代役”というのが、この「運命のひと」という週のキーワードではないだろうか。どこかネガティブな響きも伴う”代役”という言葉であるが、この『ひよっこ』において、それは”親密さ”を意味する。代役が為されるということは、誰かと誰かが向かい合い、響き合った結果なのだ。高子(佐藤仁美)が嫁入りし退職、すずふり亭のホールをみね子が取り仕切ることとなる。ここで、みね子はキッチンに向かって

すいませ〜ん
ポーク、まだですかぁ〜?

と高子の口癖を真似てみせる。みね子は高子の代役をきちんと務めてみせるのだ。島谷が去ったあかね荘の空き部屋に愛子(和久井映見)が引っ越してくる。「私が来たからもう大丈夫よ」という無根拠なポジティブさも泣かせるだが、愛子もまた島谷の代役を務める。

挨拶が1回
下でお茶が2回
外で話そうが3回

と、かつてみね子と島谷の間で交わされた壁ノックという親密な挨拶を、愛子は引き継ごうとするのだ。愛子はまた東京の母(≒姉)でもある。この物語には、みね子の東京の母(≒姉)、すなわち美代子(木村佳乃)の代役を務める者が多く登場する。その内、鈴子(宮本信子)、愛子、そして世津子(菅野美穂)という3人が同じ石鹸を使い、同じ香りを纏っている、という演出もにくいではないか。おそらくだが、その石鹸は、澄子(松本穂香)が務める工場で作られたものである。彼女もまた「勤める石鹸工場を営む夫婦に、実の娘のように(≒代役)迎えられている」と話していたのが忘れ難い。そして、ほとんど余談になるが、愛子と富子(白石佳代子)の会話もまた”代役”を巡るものである。

愛子:今度カブキとか行こう!富さん
富子:あら〜そう?
   でも、私のご贔屓の役者はみんな死んじゃったのよぉ
愛子:何言ってんの!若いご贔屓、見つけないと
富子:あら、それもそうね

そして、視聴者のおおかたの予想通り、お父ちゃん(沢村一樹)は記憶喪失に陥っていた。なんと残酷な結末であろうか。『ひよっこ』という物語が最も大切にしているのは、「人がそこに”いた”」という質感である。奥茨城村で開催された聖火リレーでのみね子や三男(泉澤祐希)の叫びを思い出したい。

みね子は、ここにいます

俺を忘れねえでくれ

すずふり亭を出た後も頻繁に祖母と父に金の無心をする由香(島崎遥香)の真意もまた、「私のことを忘れないで」とその存在を主張する為だ、と推測されている。

私たちはここにいます

というのが、『ひよっこ』という物語が複層的に叫ぶ想いだ。故にすべてを無かったことにしてしまう記憶喪失というのは、”死”以上の悲しさを伴うものである。

覚えてないなんて、そんなことあるわけないでしょう!!
ねぇ、みね子だよ!お父ちゃん!どうしたのよ!なんで そんな顔してんの・・・!?
ねえ!みね子だよ!!!

事実を受け止められないみね子。その語気は、これまで悲しいことばかり巻き起こる人生の中においても最も激しいものとなる。このシーンにおける有村架純の演技はまさに”熱演”の一言。巧みな感情と発話のコントロールに大いに涙腺を刺激された。

嫌になったんでしょう?私たちのこと
それとも、何もかんも?
ひどい目にあわされて、嫌になったんでしょう?
だからいなくなったんでしょう!?そうでしょ!?
それは私、分かっから!私、分かっから!
お父ちゃんがここにいたいなら、いいよ
お父ちゃんがここにいたくて、
帰りたくないなら、私・・・会わなかったことにすっから
帰るし・・・今日のことは忘れっから
それでいいから
生きててくれただけで嬉しいし・・・
お父ちゃんのこと、責めるつもりなんて全然ないから!全然ないから・・・!
・・・だから、覚えてないなんて言わねえで・・・

このみね子の「いいよ」*1は、社会の倫理を超えた、物語の独自のルールが発動しているが故に感動的だ。すべてを“忘れてしまった”というくらいならば、いっそ「家族が嫌になって捨てた」ほうがましだと言うみね子。そして、「その気持ちは自分にもわかる」とさりげなくみね子に言わせてしまう筆致が凄まじい。物語の表面には愛情という形でしか顔を出さないが、みね子にとって田舎の家族は、当然大きな負担でもあるのだ。


あまりにも重たい幕切れで週を終えた。次週のタイトルは「大丈夫、きっと」とあるからして、ポジティブなフィーリングが徐々に戻ってくるに違いない。何と言っても、前述の「悲しい結末ならば、続きを書き足してしまえばいい」という精神は、空っぽになった”お父ちゃん”の記憶において、あまりに有効な態度なのではないだろうか。

*1:『カルテット』3話の松たか子

ナカゴー『ていで』

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ナカゴーという劇団の現時点での最高傑作と言ってもいいのではないだろうか。「浅草九劇」という会場にも驚かされた。ちゃんと劇場なのだ*1。ここのところは、催事場、公民館、廃校スペースといった一風変わった場所でばかり上演してきたナカゴーである。お得意なスプラスティックな暴力表現も鳴りを潜め、間口を広げようという確かな意志のようなものを感じた。ナカゴーという才能がいよいよ次のステージに。抜群に観やすくはなっていたのだけども、「珍しくいい話風にまとまっていた」というような評価はやや釈然としない。私にとってのナカゴーの演劇は、いつだって切実な響きをともなった”いい話”であったからだ。本公演のチラシは『ナインストーリーズ』の新潮文庫版のデザインを模している。

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

同じく本公演である『率いて』(2015)における『ライ麦畑でつかまえて』の白水Uブックス版に続いてのデザインでのサリンジャーオマージュ。ナカゴーの演劇がサリンジャー的かと言われると話がよくわからなくなってくるのだが、”コミュニケーションの切実さ”を描いている、という点では大いに納得のいく連なりであろう。実際のところの意図は、「何となく」くらいのものなのかもしれないが、そういった態度もまた鎌田順也の魅力である。


ナカゴーは1年に1本ほどのペースで上演される本公演の間に、何本も特別公演を挟んでいる。観ているほうとしては本公演と特別公演にさほどの区別をつけていないのだけども、髙畑遊、鈴木潤子、篠原正明、川崎麻里子、田畑菜々子、土田有未といった劇団員が数多く揃った本公演の”圧”はやはり凄まじいものがあって、考えを改め直す。ナカゴーの本公演は凄い。普通の劇団であれば1人いれば充分であろう濃いキャラクターがこれでもかと舞台に積み上がっていく。田畑菜々子演じる幽霊の一人語りの見事さから、「うわ、凄い」と圧倒されてしまった。そして、私はもう髙畑遊の発する言葉は何だって面白い領域に突入してしまっている。

ラーメンはいつだって食べたい
炒飯はたまに食べたい

という台詞をあれ以上面白く発せる人なんているだろうか。と言いつつも、今作の最大の魅力は、東葛スポーツから客演した金山寿甲 という役者にあるだろう。江戸っ子としての圧倒的な色気と実存感。そして、際立ったその発話。メダルゲームの説明や映画のあらすじを語るだけの独白があれだけおもしろいというのは一体全体どういうからくりなのか。


開場から開演までの30分間、劇中の衣装を纏った出演者が舞台上に入れ替わりに登場し、台詞を発し始める。最初は「練習かな」と思うのだけども、本番と同じテンションと声量で遂行されるそれらは、これから上演される舞台の断片そのものであるらしい。それはただの予告編に留まらず、それぞれの演者がバラバラの時制で断片を披露しているにも関わらず、舞台上で本編とはまったく違う形で噛み合ってしまうよう演出されていて、1つの別の作品としても楽しめてしまう。また、断片的に切り取られることでナカゴーという劇団が持つ身体性の特異さと台詞の強度がより浮き彫りになったことも興味深かった。この方法論で生真面目に作品を作り上げたら、鎌田順也はチェルフィッチュ的な場所にだって辿り着けるのではないか、という妄想まで催してしまう。


カットアップして披露される断片でもって、街の中華屋を舞台とした古典的ホームドラマという物語の大枠は把握できてしまうわけだけども、物語の脱構築はこれだけに留まらない。本編が始まると、幽霊を名乗る女がナレーションとして登場し、これから巻き起こるあらすじをさらに細かく説明してしまうのだ。ここまでネタバレしてしまって、はたして楽しめるのだろうか?と誰もが思うわけだけども、これが信じられないほどに面白いのである。もうほとんどパーフェクトのように感じた。まずもって、台詞の研ぎ澄まされ方が圧倒的。開演前のカットアップにしても、「台詞だけ抜き取ってもおもしろいでしょ?」という挑発なのではないかと思うほどで、それらが見事に応酬し、絡み合っていく心地よさは、期待のハードルをいとも簡単に越えていく。定石からの絶妙なズラし、強度あるギャグ、巧みな固有名詞の抜き取り、そこかしこに散らばめられた批評性、そして涙腺を刺激するハートウォーム、どこをどっても完璧ではないか。


タイトルである”ていで”というのは、「~の体で」というやつである。ここ最近の鎌田順也の作品は、序盤でハートウォーミングドラマの体を為しながら、中盤からギアを変えて、阿吽絶叫のスラップスティックに転化していくのが定石であったわけだが、この『ていで』においては、最後まで人情話としての”てい”を崩さない。照明や美術の演出、老婆を演じる若者など、演劇の持つ”虚構”を徹底的にイジり倒しながらも、”演じる”という行為を通して、人が持つ可愛らしさ、おかしみを炙り出す。そして、辿り着くおおらかな肯定。高畑遊が何度か繰り出す「かまわない かまわない」というコミカルなギャグが、人間とハクビシンの間で営まれる禁断の恋を、いとも簡単に許してしまう。鎌田順也としては、あくまで人情話の”てい”でしかないのかもしれないが、まんまと泣かされてしまった。

*1:個人的には大ナカゴー『評価』(2012)の座・高円寺2以来かもしれない

最近のこと(2017/07/21~)

かりあげクン(60) (アクションコミックス)

かりあげクン(60) (アクションコミックス)

コインランドリーに置いてあった『かりあげクン』をパラパラ読んでいたら、かりあげクンは毎週のように海や山へ遊びに行き(サウナにもよく行く)、上司や同僚とも仲良しで、道行く人ともすぐ仲良くなれて、羨ましい・・・と泣きそうになりました。精神が夏バテしてしているようです。ブログ更新意欲もそぎ落とされている。せめて「最近のこと」だけでも、と奮い立たせて書きます。心が弱るとラジオに頼る癖があるんですけども、最近は『オードリーのオールナイトニッポン』をずーっと聞いている。『オードリーのオールナイトニッポンR』から数年くらいはずっと聞いていたのだけども、自分の中で学生から社会人への変化が定着し、生活習慣が規則正しくなってからはすっかり遠ざかっておりました。久しぶりに聞くとこれがもう面白いのなんの。
ssmtmt1988.hatenablog.com
EMCの松本さんもブログに書いていますが、若林正恭さんの自意識の変化にむちゃくちゃ勇気づけられる。私も早くおじさんの領域に突入したい。



先週の金曜日のこと。完全に土曜日と勘違いし、1時間ほど寝坊。急いで職場に向かうも定時刻に12秒間に合わず。遅刻をしないというのが会社員としての唯一の取柄であったので、落ち込んだ。出掛ける前にシャワーを浴びられなかったのも辛かった。恥かしくて人には言ってなかったのですが、私は『ドラえもん』のしずちゃんくらいお風呂が好きな人間なのだ。映画版などで、冒険の途中でお風呂に入りたがるしずちゃんに、のび太をはじめとする男の子たちは一様に呆れていたわけだけども、私は「わかる、わかるよ」といつだってしずちゃんの側に立っていた。いつか、しずちゃんがお風呂に入るシーンだけ考察したレビュー書きたい。とにかく、出掛ける前はシャワーを浴びたいのだ。朝から電車で頭皮の匂いを発している人に出会うと、「朝シャンの気持ちよさ、教えてやりてぇ」と思う。遅刻への落ち込みはさほど持続せず、数時間後にはもう週末の到来にウキウキとしていた。気分の落ち込みがさほど持続しないのは、私の生きる上での取柄と言っていいだろう。この日は友人らで池袋の「中国茶館」で中華の食べ放題に挑戦する予定だった。よしながふみの名著『愛がなくても喰ってゆけます。』

愛がなくても喰ってゆけます。

愛がなくても喰ってゆけます。

に取り上げられたこともあるお店だ。やはり混雑していて、1時間待ちとのことで断念。予約もできないお店なので*1、金曜日に楽しむのは難しいのかもしれない。しかたなく、結局この日もタイ料理を食べた。香辛料で興奮してしまい、高橋一生と映画『昼顔』とミニオンの素晴らしさについて熱弁してしまった。喋っている内容がこのブログとほとんど同じだ。帰宅して『ぼくらの勇気 未満都市』のスペシャルを観る。お話も撮影もスケールダウンしているなぁ、とは思いつつも、もっとずっとひどいものが出来上がると思っていたのだので、その想定からすれば、意外と悪くなかった気がする。KinKi Kidsの2人が画面に収まっている多幸感みたいもので乗り切れた。堂本剛の演技を久しぶりに観たが、まだまだ松本人志イズムみたいなものが漂っていて、ほっこり。堤幸彦の演出と會田茂一の音楽でジャニーズの面々が出てくる感触には、『池袋ウエストゲートパーク』だっ!!と思わず興奮してしまった。20年後の『池袋ウエストゲートパーク』、観たいような、観たくないような。出ている人が今も全員かっこいいままなのは確かだ。



土曜日。私にとっては未開の地である錦糸町に訪れた。インド料理屋「ヴェヌス サウス インディアン ダイニング」でランチバイキングを楽しむ。本当はミールスが食べたかったのだけども、昼はバイキングのみだった。美味しいビリヤニが食べ放題なのがうれしい。店を出て少し錦糸町を散歩する。普段来ることがない街なので新鮮だった。サウナ&カプセルがたくさん目につく。その中から「ニューウィング」というサウナをチョイスして入館。場末とか言いようのない道に生ゴミが転がっているような通りにあるカプセルホテル&サウナだ。サウナだけの利用も可能で2時間コースが1000円、4時間コースが2000円。ボナサウナがとにかくグッドコンディションでむちゃくちゃ気持ちよかった。かなりの頻度でに熱源に水が注がれていて、常に心地よい蒸気に包まれている。水風呂はこじんまりとしたものと、ミニプールと銘打った大きめのと、2種類ある。温度はそれぞれ16℃と20℃という感じなのだけど、まさかの大きいミニプールが16℃なのだ。相場は逆ではないだろうか。シャキっと冷える広い水風呂。塩素の匂いは強め。外気浴はできないが、送風機がソヨソヨと身体に風を当ててくれるのがナイスです。休憩所では『キングダム』を5巻まで読みました。

キングダム 5 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 5 (ヤングジャンプコミックス)

世界史に疎いので、『蒼天航路』と『シュトヘル』と『キングダム』の時代と国がごっちゃになる。デパ地下で半額になったパックのお寿司を買って、帰宅。ナイター鑑賞しながらつまんだ。夜はDVDで『怪盗グルーのミニオン危機一発』を楽しむ。2も本当に出来がよくて、涙腺を刺激されてしまう。明日からの小旅行の荷造りをして眠る。



日曜日。昼前に東京駅へ。高速バスで富士急ハイランドへ向かう前に、『エリックサウス』でチキンビリヤニを食べた。
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ビリヤニは口に運ぶたびに「美味しいなぁ」が加速していく不思議な食べ物だ。一口食べただけではその魅力は伝わりきらない。そして、いざ出発。この日は欅坂46の野外ライブだったのです。あっという間に富士急ハイランドに到着するもライブまであと4時間もある。とりあえず、グッズ売り場の列に並び、渡辺梨加と長濱ねるのタオルを買った。それでもまだまだ時間があるので、ライブチケットで入場可能だった富士急ハイランドの遊園地へ。検討に検討を重ねた結果「FUJIYAMA」に乗ることにする。1時間は並んだだろうか。普段なら絶対にお断りだが、ライブ前のテンションがそれを許した。何年か前に来た時も感じたのだけども、富士急ハイランドのお客はヤンキーとナードの両極端しかいない。遊園地というもの自体がそういうものなのかもしれない。「FUJIYAMA」はあまりに怖くて笑ってしまった。以前1回乗ったことがあったはずだが、その時より断然怖いと思った。「もう許してくれ」と何度も思ったが、でもやっぱり楽しい。さて、肝心のライブなのですが、最後列のブロックで、ステージはほとんど観られず、野外ならではの演出の数々も何が起きているのかさっぱりの蚊帳の外。この席でよかったのはライブ前とライブ後のTAKHIRO先生を間近で観られたことでしょうか(むちゃくちゃかっこよかった)。強いて感想を絞り出すなら、スクリーンに映っていた「不協和音」での平手友梨奈さんの笑み、渡辺梨加さんのルックスの仕上がり、長濱ねるさんのへたっぴな歌声の良さ、「エキセントリック」の曲とダンスの秀逸さ、「危なっかしい計画」のライブ映え、ひらがなけやきのパフォーマンスの幸福感、など。あと、「影山さんと潮さんはアイドルの天才だ!」とも思った。静岡の三島に宿を取っていたので、バスで移動。ホテルの近くに「炭焼きレストラン さわやか」を発見。今回は食べられないものと思っていたので、興奮してしまし、真夜中に禁断のハンバーグ。
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並ばずに入店できたのもうれしい。いつ食べても、本当にこんなに生焼けでいいの!?と新鮮に驚いてしまう。美味しくて幸せ。ホテルに戻り、お風呂入ってこびりついた炭焼きの匂いを落として、眠る。



月曜日。早々に三島を後にし、電車で静岡駅に。そこからバスで「サウナしきじ」へ。
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帰りのバスの時間の都合で、3時間の滞在しか許されていない。普通のサウナであれば3時間など持て余すのだけども、しきじとなると話は別だ。年末行ったときは混んでいて、気温も低めだったフィンランドサウナだが、この日は110℃。ドバドバ汗をかけた。薬草サウナは少しマイルドになったような印象だ。水風呂はあいかわらず絹で包み込まれるように気持ちよく、1セット目でいとも簡単に昇天してしまった。3セット決めて、食堂で焼肉定食。
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こういうのが好きな人はもう写真だけでととのってしまうことかと推測されます。水風呂と同様の地下水で炊いた白米と味噌汁が激ウマ。寝っ転がって、テレビ観て、再びサウナへ。時間を惜しむように貪った。しきじの水風呂はたくさん入ってもフラフラしないのがいいですね。バスの時間にちょっと余裕があったのでセブンイレブンに寄ってみると、「キャラメルラテ」なる商品が。
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都内ではまだ見かけない気がする。試しに飲んでみたけど、とても甘いので、疲れている時などに良いかも。サウナのリラックス効果が持続し、バスでは熟睡。帰宅してもグッスリでありました。



火曜日。昨日のしきじ効果なのか仕事後も元気だったので、西荻窪に自転車で向かう。異常な湿気で水をかきわけて走るような感覚であった。友人らと「大岩食堂」でミールスを食べる。
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店員さんは素敵な感じで、店内にはyoggy new wavesのアルバムがリピートされていた。その強い西荻感に眩暈を覚えるも、とても美味しくてまた来たいと思った。ポークビンダル―の美味さに感激。こちらの店主も「エリックサウス」出身らしい。調子に乗って、辛味を入れ過ぎたので、夜中腹痛に悩まされる。眠れないので、『オードリーのオールナイトニッポン』を聞いてやり過ごした。



水曜日。寝不足でグッタリ。まっすぐ家に帰って英気を養った。お風呂で、燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』を一気に読みました。

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

全然共感できないシチュエーションの中に、とてつもなく「わかる」感情が散りばめられているのが、稀有な感覚だと思った。ヒロインが三白眼のアトピーのブス、というのが素晴らしい。しかし、全体的にはある程度成功した4~50代向けの小説という印象だった。大根仁が燃え殻さんとの対談の中で、「自分は共感した」とした上で同様の指摘をキチンとしていて、信頼できるな、と思った。お風呂から出たら、ヤクルトが10点差を逆転してサヨナラ勝ち。いやーむちゃくちゃ元気が出た。『もろもろのはなし』を観る。この番組はいつも6人がイメージに沿った素敵な洋服を着ているのもいいと思う。おぎやはぎと設楽さんはいつも攻めた服をかっこよく着こなしているし、若林さんはとにかく、かわいい服を着させられている。先々週くらいの半袖のボーダーに淡い色のベストを重ねる着こなしがとびきりキュートでした。春日さんはいつもプレッピー。そして、驚くほどに日村さんがどんな服を着ているか思い出せない。着てないんだっけか。



木曜日。仕事後に原稿の依頼をくれた編集の方と打ち合わせ。「楊」で汁なし担々麵と水餃子を食べました。最近は原稿依頼を頂いたら、なるべく受けるようにしている。ミスター人見知りである私が、打ち合わせにも顔を出すようになったのだ。どういう心境の変化かと言うと、少しくらい頑張ってみようと思ったのだ。この歳にして、やっと。というのが本当のところですが、若林正恭星野源に影響を受けて、というほうがキャッチ―なので、そういうことにしておいてください。汁なし担々麵は辛さ控えめでお願いしたので、腹痛対策はバッチリである。帰りの電車の中で読んだ『問いのない答え』の「Antediluvianisch(ノア洪水以前の)」の賞に震えるほど感動してしまった。そういえば、『問いのない答え』にも『ボクたちはみんな大人になれなかった』にもモチーフとして秋葉原無差別殺人事件の加藤が登場するのである。帰宅して、『ハロー張りネズミ』2話を観た。1話と打って変わってハードボイルドな仕上がりでおもしろい。森田剛のデニムカバーオールの感じがとてつもなくいいと思った。



金曜日。仕事後に阿佐ヶ谷ハーネスで江本祐介とニーネ大塚久生のアコースティックツーマンを観た。道に迷ってしまい、少し遅れる。江本さんの「願いを星に」を聞き逃してしまったらしい。次のロロの公演に向けた三浦直之とのコラボレート楽曲をいくつか聞くことができたが、どれも素晴らしかった。そして、改めて江本さんの歌声の素晴らしさを痛感する。その歌い出しは空間をいっぺんに変えてしまう力がある。私がニーネで唯一知っている「タイ料理」という素晴らしい楽曲があって、この日はそれを漫画家である大橋裕之先生と一緒に披露してくれた。
youtu.be
大橋先生の歌声は凄くグッとくるものがある。ニーネの「夏休みは終わりだ」「マカロンの歌」という曲も凄くいいと思った。ライブ後、大橋先生と久しぶりに5秒くらい会話ができてうれしかった。ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、シャイ同士の会話は5秒で済むのである(全然人見知り克服できてない!!)。ライブハウスを出たら、お腹が空いていたので、王将で餃子を食べる。粗悪な油でお腹がすぐさまごろごろと鳴り出す。でも美味しかった。

*1:できるらしいです

最近のこと(2017/07/14~)

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ジョージ・A・ロメロ、追悼。なんて綺麗な目で腐った死体を動かしていたことでしょうか。晩年の『ランド・オブ・ザ・デッド』『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』『サバイバル・オブ・ザ・デッド』の感じも好きなのだよな。何がしかのゾンビの端くれとして、ご冥福をお祈りいたします。

たとえば街がゾンビーで あふれ返っても大丈夫
ショッピングモールで暮らしましょう
平和な世界を夢見ましょう

youtu.be



最近のことを振り返ろう。先週の金曜日から。週の疲れを労おうと、帰宅するやいなや自転車に乗り込み、銭湯に出掛けた。ときわ台の「パブリバ八光」へ。ここのサウナがとても気持ちよくて愛用しているのだ。水風呂は温めだが、ボナサウナはレベルが高い。熱源がベンチ裏にあり、座っていると上から蒸気が降り注ぎ、身体を包みます。これがもう超気持ちいいのです。いかにも街の銭湯という感じですが、いつも清潔にしてあるのも好感がもてる。サウナ利用者には専用のタオルが渡され、サウナ内で敷くようにと、指示される徹底っぷりだ。あと、男湯と女湯の壁の端っこに「石鹸渡し所」という穴があって、かわいいのです。入口がギリシャ風であったり、脱衣所には街灯とベンチが設置されていたり、風呂の壁画が西洋絵画の天使だったり、各所で独特のセンスを発揮しまくっています。5個貯めると1回無料になるサウナポイントカードなるものを最近始めたのようなのだけども、渡されたカードが財布に入らないような大きさの代物で笑ってしまった。きっとポイントカードの始祖はああいう形をしていたのだろう。「パブリバ八光」を後にし、川越街道沿いにある「太麺太郎」で味噌ラーメンを食べた。
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どでかい看板を掲げるこれぞ街道のラーメン屋といったような店構えなのだけども、侮るなかれ。実にレベルの高い味噌ラーメンが食べられる。魚貝類系の濃厚な味噌スープもさることながら、モチっとした麺が美味いのです。


最寄りのセブンイレブンで「チョコミント氷」を買う。この一週間いつチェックしても売り切れていたのでうれしい。新しくバイトで入ったらしい店員さんが、”水でできているアイドル”こと3776井出ちよのにそっくりで、思わず二度見してしまった。知らない間に3776はシーズン4を迎え、静岡方面を井出ちよのが担当し、山梨方面を元Peach sugar snowの広瀬愛菜が担当する、リンクアイドルというやつに変容していた。ライブでは、2人は同時に別のステージで同じ楽曲を別のアレンジで歌い、2つのステージの中間で聞くと、新しい1つの楽曲に聞こえるのだそうだ。コーネリアスの「STAR FRUITS SURF RIDER」理論。
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複雑怪奇だよ!むちゃくちゃライブ観たい。広瀬愛菜はPeach sugar snow時代のライブを一度だけ観たことがあるのだけど、その歌声に圧倒されたのを覚えている。「3776に山梨方面を担当するメンバーが加わった」というニュースを聞いた時に、「あのPeach sugar snowの子かしら」とすぐさま頭に浮かんだくらいである。買ってきたアイスを食べながらリアルタイムで『ハロー張りネズミ』1話を観た。うーん、これはおもしろいのだろうか。とりあえず今後に期待。やはり瑛太には痩せていて欲しいものだ。岩井秀人安藤聖の出演はうれしいが、伊藤淳史の演技がとにかくキツい。演技の良し悪しの判断なんて人それぞれでしょうけど、個人的にはありえないほどペラペラの芝居に思えたし、やはり話としてもテーマのわりに軽かった。ちなみにこき下ろされていた下赤塚の商店街、本当はとても素敵なのだ。小さい商店街に八百屋が3軒あるのがにくい。池袋はもちろん、地下鉄は東横線とも直通しているし、何と言っても駅前には「餃子の満州」があるのだ。これは3割美味い。『セシルのもくろみ』1話も観た。宇野祥平がプライムタイムに真木よう子の夫を演じているのにグッときた。来週も観るかはわからない。『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』の猿を主食とする部族の映像に興奮する。猿は身が締まっていて淡泊であるらしい。彼らからすると、牛や豚は不味くて食えたものではないのだそうだ。ナマケモノですら食べるというのだから驚かされる。世界は広い。観光ビジネス部族というテーマも興味深かった。学生の頃、そんなテーマで非常にレベルの低いパワーポイントプレゼンをさせられた記憶があります。


土曜日。早くに目が覚めてしまい、ひたすら掃除と洗濯をしていた。本棚を増設し、部屋の模様替えまでした。お昼に冷やし中華を食べる。以前、中華屋の店主が「冷やし中華は始める前は、まだ?という声が多いのだけど、いざ始めるとあんまり出ない」とボヤいていたのを思い出す。ないものねだりばかりの僕たち。

ねぇ、知ってる?
冷やし中華にマヨネーズかけると美味いよ

というのはどついたるねんの楽曲のリリックだが、私はそれを既に知っていた。小学生くらいの頃に、テレビで桑田佳祐に教わったのである。しかし、ネットで「桑田佳祐 冷やし中華」で検索するもそんな情報はどこにも出てこない。記憶違いの可能性もあるのだけど、あの時熱弁していたのは確かに桑田佳祐だったはずだ。誰か覚えている人はいないだろうか。土9で『透明人間』が放送している頃だったはずなので、「愛の言霊 〜Spiritual Message〜」リリースに伴うテレビ出演だろうか。なんなら、サザンなので原由子もいるからして、「桑田家の冷やし中華」として語られていたような気がしないでもない。1つ覚えているのは母が「桑田さんは誰でも選び放題という状況で原由子を選んだのが偉いわね」と言っていたことで、原由子に失礼な話であるが、そういう母の物言いにかなり影響を受けてしまっているような気がする。ちなみに私のマイベストサザンは「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」です。


3連休の始まりなのだけども、特に予定もなし。乃木坂46のライブDVDをずっと観ていたら、乃木坂熱が再び高まった。乃木坂46のライブDVDをめちゃくちゃレベルが高くて、繰り返しの鑑賞に耐えうるのです。先日発売された4年目のBirthdayライブDVDも購入しようと思います。しかし、初期は本当にカップリングにいい曲が多い。アルバムに未収録かつさして人気のない「海流の島よ」「サイコキネシスの可能性」「やさしさとは」あたりですら良曲。中期ですと、断トツで「吐息のメソッド」である。


プロ野球オールスターゲームは2日間ありながら、ヤクルトからはライアン小川が監督推薦で出場したのみ。しかも1イニング投げて、しっかりホームランを打たれていた。辛い。もう1軍はさておき、新人のフレッシュオールスターで、ヤクルトの期待の星である高橋奎二が躍動していたことを喜ぼう。
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左のライアンこと高橋、来シーズン(もしくは今年の9月あたり)には1軍で投げ出すと思いますので、ぜひとも覚えておいてください。この日放送していた『音楽の日』をダラーっと観続けてしまった。全部観たわけではないけども、SEKAI NO OWARI「RAIN」とAKB「恋するフォーチュンクッキー」の生演奏バージョン、欅坂46三浦大知、KICK THE CAN KREWあたりがとてもよかった。あと、TOKIO「クモ」はやっぱり良い。長瀬智也の作曲能力とボーカリゼイションがJ-ROCKバンドの中でトップレベルにあるのは紛れもない事実だ。尾崎豊の息子に続いて、山口百恵の息子が「秋桜」などを歌っているのにビックリした。またこれがカラオケみたいで全然良くないのだ。シンプルな親の七光り。三浦貴大は好きなので、複雑な気持ち。『音楽の日』は中居くんと安住さんという1人いれば充分な力量のMCが2人体制でいるのがとても豪華だ。AKBが7年かかった東京ドームでのライブを6年で達成、と振られて謙遜するしかない乃木坂との絡みの中で、「俺(SMAP)は5年目」とやったのには痺れた。しかし、やっぱりSMAPがいないと音楽特番が締まらないなぁと思ってしまう。この日の『ゴッドタン』にランジャタイが出演。正直全然ピンと来なかった。ゆにばーすの川瀬名人が平場でもめちゃくちゃ面白くて、早く売れて欲しいと思いました。



日曜日。ひさしぶりに「さやの湯処」へ。連休中日ということで信じがたい混み方だったが、水風呂はしっかりと17℃あたりをキープしていて、シャッキリ冷える。塩素臭バリバリの水風呂だが、これだけ人が多いので仕方ないだろうし、夏場に限ってはこの塩素臭も悪くない。夏休みの記憶をくすぐられます。サウナも混んでいるわりにまずまずのコンディションだった。「さやの湯処」ではサウナ→水風呂→外気浴からの寝湯なんてコースもオススメである。濃度の高い温泉に塩サウナもなかなか良くて、施設としてとにかく充実している。飯もそれなりに美味いのだけど、私はいつもほど近い「吉祥軒」で食べる。
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海老炒飯と豚肉とニンニクの芽の炒め物。呆れるほど美味い。多分何を喰っても美味いので、麺類にも挑戦したいのだけど、ここの炒飯の魅力にはそうそう抗えるものではない。お米に旨味が見事に閉じ込められていて、冷めても美味しい。この店には私が敬愛の気持ちを込めて“水ババア“と呼んでいる店員がいる。少しでもグラスの嵩を減らそうものなら、間髪を入れずに水を注ぎにきてくれるのだ。店が暇な時などは席の後ろに張り付くようにして、水を注ぐチャンスを窺がっている。彼女を見ていると、cero

砂漠に閉ざされていても大丈夫

というリリックを思い出すのです。水ババアがああも躍起になって潤そうとしている現代社会の”渇き”とは?などということを考えながら、帰宅。暇だったので、『怪盗グルーの月泥棒』と『ミニオンズ』を観た。

怪盗グルーの月泥棒 [DVD]

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ミニオンってここ10年のポップカルチャーが生み出した最良のものでは、と思っています。「怪盗グルー」シリーズは脚本もとにかくウェルメイドで、かつ優れた活劇でありますから、未見の方は新作『怪盗グルー ミニオン大脱走』の公開のおりにぜひ復習下さい。明日も休みなので、リアルタイムで『乃木坂工事中』と『欅って、書けない?』を観る。私服姿の乃木坂に目が焼け死んだ。日村さんの神宮ライブ極秘潜入でのダンスパフォーマンスは、完全に”めちゃイケ”オマージュの予感。来週が楽しみ。



月曜日。昼まで寝てしまう。この日もバカみたいに暑い。ちょうど近所の人気のパン屋の開店時間だったので、買いに出かけた。あんぱん、メロンパン、コロッケパン、カレーパン、クリームパンというTHE定番品を購入。当然とてもじゃないけど食べきれないので、余った分は冷凍するのです。

エビクラシー

エビクラシー

私立恵比寿中学の『エビクラシ―』を今更ながら聞きました。サウンドの統一感はないが、どこか楽曲のフィーリングはまとまっている、気がしないでもない。「制服"報連相″ファンク」というハロプロオマージュ曲があった。中山莉子ちゃんかっこいい。小林歌穂ちゃんの歌声が大好きなのですが「感情列車」はMVも含め、本当に素晴らしいと思う。
youtu.be
安本さんが安本さんのままに美人になっているの、ほんと泣けるなぁ。Huluで小津安二郎『お早よう』を久しぶりに観た。いやー凄い。むちゃくちゃクールなコメディで、痺れてしまったな。勇ちゃん役の子役が最高。そして、佐田啓二中井貴一のお父さん)の信じられない格好良さ。斎藤工もこの作品が好きで、何度も繰り返し観ているらしい。『昼顔』の北野先生が好きで、斎藤工を見かけると、ついつい反応してしまう。スーパーと100円ショップに買い出し。夜ご飯はキーマカレーノンアルコールビールを、ナイターを眺めながら。家で食べるキーマカレーがむちゃくちゃ美味しくて感激した。ヤクルトの2年目原樹理は本当に素晴らしいピッチャーに成長したが、今日も勝ち星つかず。どうか腐らない欲しい。
ラヴァーズ・キス (小学館文庫)

ラヴァーズ・キス (小学館文庫)

唐突に、吉田秋生ラヴァーズ・キス』を読みながら眠った。



火曜日。連休明けの仕事辛し。しかし、4日働けば、また休み!の精神で頑張った。15時頃、天気が急変して、竜巻が巻き起こり、空から大粒の雹が大量に振ってきた。凄まじい音で窓に打ち付けられる氷の粒。外を眺めると、車道は混乱に陥り、全て停車していた。『デイ・アフター・トゥモロー』を地でいくようなSF的光景であった。ちょっと忘れ難い。帰り道は夏だというのに地面は氷だらけ、そして木の葉まみれであった。タワレコ欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』と口ロロ『LOVE』を購入する。

真っ白なものは汚したくなる (Type-A)(DVD付)

真っ白なものは汚したくなる (Type-A)(DVD付)

LOVE

LOVE

欅坂46のアルバムはこれがグループのピークでないならば凄いことである、というような素晴らしい出来栄え。日曜日の野外ライブ、むちゃくちゃ楽しみだ。口ロロはまだほとんど聞けていないのだけども、いとうせいこうが活躍している感じ。口ロロの音源、なんだかんだで全部購入していることに気づいて驚いた。
hiko1985.hatenablog.com
Mr. Children×docomo25周年企画の動画のフルバージョンを観て、泣く。高橋一生は素晴らしいよな、ほんとに。黒木華も凄いよい。ミスチルの「君がいた夏」が頭から離れません。最後に流れる知らない曲は未発表のデモであるらしい。ヤクルトは今日も負け。星が1失点の好投を見せるも見殺し。中澤とギルメットのリリーフも良かった。もはや負けても何とも思わなくなってきたが、12連敗で7月は未だに勝ち星なしです。



水曜日。ショルダー肩美の漫画で爆笑した。
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鉄拳チンミ』の猿を引用してきたのむこう2年は笑える。仕事帰りに新居に引っ越した実家へ寄る。母の誕生日が近かったので、好物のスイカを1玉買ってプレゼントした。母がスイカを好きという印象は20年くらい前のもので、今も好きなのかは定かではない。新居はとてもいい環境であるように思えた。あそこが両親の終の棲家になるわけだ。何となく”終の棲家“という言葉を使ってみたかっただけで、特にどういう感情も巻き起こっていません。ヤクルトは怒涛の13連敗。これでさすがに世間でも話題になるかな、と思いきやいつだってジャイアンツが話題を持っていく。この日は悲しい訃報が2つもあった。まず、映画監督の堀禎一。先週、ポレポレ東中野の特集上映でその姿をお見かけしたばかりなのに・・・新作『夏の娘たち~ひめごと~』の公開で、ついぞその名が大々的に広まっていく機運を感じるさ最中であったのに。その数時間後には京都のバンド本日休演のボーカル/鍵盤の埜口くんの訃報。謹んでお悔やみ申し上げます。評論家である佐々木敦の「誰かが急に亡くなった時のツイッターの反応が大嫌いだ。」というTwitterでのつぶやきがRTされてきて、はてなマークが頭の中にうごめいた。誰かが突然亡くなってしまった行き場のない哀しみをTwitterに垂れ流すことは悪いことなのだろうか。「大嫌いだ」なんて強い言葉を向けるべき対象は他にもっとたくさんあるだろ、と。佐々木敦は「誰かが死んだことについては絶対に書かないようにしている。知っている人ならば尚更だ。」とも呟いているのだけど、そこにどんな美学が隠されているのかはよくわからない。評論家とは違い、Twitterにしか言葉を放れない人だっている。



木曜日。珍しくスパっと気持ちよく起きることができた。The Flaming Lips『Clouds Taste Metallic』を久しぶりに聞く。これは人生の1枚である。PAVEMENTのヨレヨレを志向するバンドは多いが、この頃のThe Flaming Lipsのドタバタなメロウネスも誰か復権して欲しい。
youtu.be
『真っ白なものは汚したくなる』をじっくり聞きたくて、ウォーキングで帰ったら、あまりの蒸し暑さでヘトヘトに。途中コンビニで富士急のライブチケットを発券するも、残念ながらステージから通そうな席だった。久しぶりに風呂にお湯を貯めて、ミントのバブを放り投げて長湯した。長嶋有の『問いのない答え』を興奮でのぼせそうになりながら読む。有田哲平主演の『わにとかげぎす』の1話、結構おもしろい。